この記事は、2026年5月26日午前6時29分(日本時間)時点のリアルタイム市場データに基づき、プロトレーダーの視点から最新の相場状況と今後の見通しを分析しています。
2026年5月26日 相場概況:リスクオンと利益確定の攻防
本日2026年5月26日の金融市場は、前日の日経平均株価の史上最高値更新と米国・イラン間の停戦合意期待を背景としたリスクオンムードと、その後の利益確定売りが交錯する展開となっています。特に日本株は前日の大幅上昇の反動で調整局面を迎えています。
日本株:高値警戒感からの反落
2026年5月25日の東京市場は歴史的な一日となり、日経平均株価は前日比1,819円12銭高の65,158円19銭で取引を終え、史上最高値を更新、初の6万5千円台に乗せました。上昇率は2.87%に達しています。TOPIX(東証株価指数)も3,942ポイントで3営業日続伸し、こちらも最高値を更新しています。この急騰は、米国とイランの停戦案報道による原油急落とインフレ懸念の後退、世界的なAIと半導体ブーム、そしてドル円158円台後半という円安水準の3つの要因が重なり、AIと半導体を中心とする日経平均主導の相場となりました。
しかし、本日2026年5月26日午前中の東京株式市場では、日経平均株価(225種)が反落しました。前日終値からの下げ幅は一時500円を超え、節目の6万5000円を割り込みました。午前終値は前日終値比260円55銭安の64,897円64銭となりました。 最近の大幅な上昇の反動で、利益を確定する売り注文が優勢になったものと見られます。 過熱感を警戒する見方が出ており、株価水準が高いAIや半導体関連銘柄を中心に調整売りが見られました。例えば、アドバンテストは前引け時点で5%を超える下落、東京エレクトロンも2.26%安となりました。
一方で、米国とイランの戦闘終結に向けた交渉進展への期待は相場を支え、プラス圏で推移する場面もありました。防衛関連の動きが良く、川崎重工業やIHIが急伸しています。 個別銘柄では、食道がん向け治療薬の製造販売承認が好感されたオンコリスバイオファーマ(4588)が18.0%高の3,300円とストップ高水準まで買われました。 逆行安となったのはINPEX(1605)で、原油急落への懸念から4.7%安の3,658円と4日続落しました。
米国株:メモリアルデー休場、先物は上昇
2026年5月25日は米国のメモリアルデーのため、米国の株式・債券の現物市場は休場でした。 直近の現物取引である2026年5月22日金曜の引けでは、S&P500が7,473.47、ダウ工業株30種が50,579.70、ナスダック総合が26,343.97と、主要3指数がそろって3営業日続伸し、S&P500は週間ベースで8週連続の上昇を記録しています。
休場を挟んだ連休中も、米国とイランがホルムズ海峡の通航再開と核問題を巡る停戦案を協議しているとの報道が相次ぎ、中東のリスクプレミアムが急速に剥落しました。 これを受けて株価指数先物は買われ、本日2026年5月26日朝の時点でS&P500は7,547.71、ダウは51,036、ナスダック100は29,800と、金曜終値からおおむね1%前後の上昇を示しています。 原油安、長期金利の落ち着き、AIと半導体への期待という3点が重なり、祝日明けの東京・欧州時間ではリスクオンの地合いが鮮明でした。
一方で、4月の消費者物価指数(CPI)が前年比3.8%へ再加速しており、FRB(米連邦準備制度理事会)の新議長ウォーシュ氏のもとで「次の一手は利上げかもしれない」という議論がにわかに強まっており、強気相場の足元には金利という重しが横たわっています。
ビットコイン(BTC):和平期待で底堅いも、需要は低迷
ビットコイン(BTC)は、2026年5月26日8時時点で77,069ドル付近で推移しており、過去24時間で+0.3%とわずかな上昇となっています。 別の情報では、2026年5月26日午前6時52分時点で77,272.9ドル(約1,226万円)と報告されています。 直近24時間は米国の戦没将兵追悼記念日で米株市場が休場するなか、ドーハに到着したイラン交渉団とトランプ大統領の合意「最終調整段階」発言を受けて米イラン和平合意期待が高まり、地政学プレミアムが剥落する形でBTCに買いが入りました。
日足チャートでは、BTCは2025年10月につけた史上最高値である12万6198ドルからの調整途中にあり、200日EMAを下回る状況が続いています。 しかし、短期の20EMA・50EMA・100EMAは上回って推移しており、中長期は戻り売り優勢ながらも、短期的には下値を固めつつ戻りを試す動きが意識されやすい局面です。 上値メドは7万8100ドル、下値では7万6700〜7万6900ドルが意識されやすい価格帯となっています。 レンジブレイク時には、7万7700ドルを上抜けた場合のショートカバー、あるいは7万6700ドルを下抜けた場合のロング清算リスクに警戒が必要です。
一方で、ビットコインの需要は年内最低水準まで低下していることが指摘されており、現在の価格上昇は主に先物市場の勢いに支えられている可能性が高いとの見方もあります。
ゴールド(XAUUSD):米金利低下で魅力を増す
金(XAU)価格は上昇しています。 2026年5月26日時点で、OANDAが提供する商品CFD「金(XAU)」の終値は4,570ドルと報告されています。 別の情報では、2026年5月26日のビットコイン価格更新情報の中で、金が4,569.32ドル(週間+1.16%)で推移していると報じられています。
米国とイランの戦闘終結期待が高まっている影響で、インフレ懸念が緩和し米長期金利が低下しています。 この米長期金利の低下により、相対的に金の魅力が高まっている模様です。
日足チャートを見ると、陽線を形成し、前営業日22日の下落に対する反発となりました。平均足は陰連しているものの、ローソク足と平均足は重なり、明確な方向性は出ていません。5月18日から抵抗帯となっている4500ドル台後半まで上昇が進みました。 目先は、この抵抗帯で反落するか、抵抗帯を突破して上昇が加速するかに注目が集まります。
国内の金価格は、田中貴金属が公表した2026年5月25日9時30分時点の店頭小売価格が1gあたり25,905円でした。 色石BANKの2026年5月26日9時52分時点の金1gあたりの買取相場価格は25,404円(前日比-144円)です。
ドル円(USDJPY):円安進行も介入警戒感は継続
ドル円は、本日2026年5月26日12時33分現在、158.92円付近で推移しています。 別の情報では、本稿執筆時点でのドル円は158.873円と、158円台後半の円安圏で推移しています。 三菱UFJ銀行の2026年5月26日現在の米ドルTTSは160.02円、TTBは158.02円です。
円安の構造的な背景には、日米金利差があります。FRBが3.75%という高い政策金利を維持し、米10年債利回りが4.563%にある一方、日本の政策金利は0.75%、10年債は2.697%です。この金利差1.866%は、円を売ってドルを買うキャリートレードの誘因となり続けています。
一方で、日銀の利上げ観測の高まりと、米国の利下げ期待後退の綱引きが、ドル円の方向感を不安定にしています。 25日の相場は、円安が上昇の主役だったというよりは、AIと半導体主導の日経平均急騰を、円安維持による輸出株の下支えが補強したという二重の構図でした。 財務省・財務官の発言や為替介入観測については、本稿執筆時点で特段の新規材料は確認されていませんが、160円が接近する局面では、当局の円安けん制姿勢が改めて意識される可能性があります。 今週(5月25日週)のドル円は157~160円で予想されています。
テクニカル分析と注目レート
日本株:日経平均
- 前日終値で史上最高値を更新したものの、本日は利益確定売りが先行し、65,000円の節目を割り込みました。
- AI・半導体関連株への資金集中が過熱感を招いていたため、短期的な調整は避けられない局面です。
- 今後は、64,500円~64,000円付近が短期的なサポートラインとして機能するかどうかに注目です。
- NT倍率が16.53倍まで上昇したことは、大型のAI・半導体株に売買が集中した偏りの大きさを示しており、この偏りが修正される動きには注意が必要です。
米国株:NYダウ、ナスダック、S&P500
- 主要3指数は8週連続で上昇しており、極めて強いトレンドを示しています。
- S&P500は3月末の安値から直近高値まで19%上昇し、SOX指数は73%余り上昇するなど、AIと半導体株への物色集中が顕著です。
- 先物市場では上昇が見られますが、米国債利回りの動向と、4月のCPI再加速によるFRBの金融政策への思惑が今後の方向性を左右します。
- S&P500では、過去最大に達しているハイテク株のウェイト(時価総額の約44%)と、ドットコム・バブル時の2倍以上となる半導体株の集中度(S&P500の約18%)が指摘されており、この集中が強気相場の最終・第5波の特長を示している可能性があります。
- NYダウは51,000ドル台が目先の天井となるか、52,000ドルに向けた上昇が続くかに注目です。
- S&P500は7,500ポイント台に到達し最高値を更新しており、節目価格8,000ポイントに向けた上昇が続くか、7,500ポイント到達で上昇一服となるかに注目です。
ビットコイン(BTC)
- 日足チャートでは、200日EMAを下回っており、中長期的な調整局面にあることを示唆しています。
- 一方で、短期移動平均線(20EMA, 50EMA, 100EMA)を上回って推移しており、短期的には下値を固めつつあります。
- 上値レジスタンスは7万7700ドル、さらに7万8100ドル。これを明確に突破できるかが、短期的な上昇トレンドへの転換点となります。
- 下値サポートは7万6700ドル〜7万6900ドル。この水準を維持できるかが重要です。
- 米イラン和平協議の進展期待がリスクオン材料となる一方、ETFからの資金流出が上値を抑える構図が続いています。
ゴールド(XAUUSD)
- 米長期金利の低下が金の価格を押し上げており、相対的な魅力が高まっています。
- 日足チャートでは、5月18日から抵抗帯となっていた4500ドル台後半まで上昇しており、この水準を突破できるかが次の焦点です。
- 目先は、4500ドル台後半で反落するか、そこを抜けて一段高となるかに注目です。
- 短期的には中東情勢のヘッドラインに振らされやすいものの、原油価格・米長期金利・ドル相場の反応をあわせて確認することが重要です。
ドル円(USDJPY)
- 158円台後半で推移しており、日米金利差を背景とした円安圧力が根強いです。
- しかし、160円に接近する水準では、日本の通貨当局による為替介入への警戒感が依然として強く、上値が重くなる可能性があります。
- 日銀の利上げ観測と米国の利下げ期待後退の綱引きが続いており、どちらかの要因が強く意識されると大きく動き出す可能性があります。
- 短期的な下値サポートは157.50円付近と意識されており、この水準を守れるかどうかがポイントです。
- 市場は米PCEや米・イラン交渉、原油価格など複数の材料を消化しながら、レンジ内での推移が予想されます。
今後の見通し:変動要因と注目点
現在、市場を動かす主な要因は、地政学リスクの緩和期待、主要国金融政策の方向性、そしてAI・半導体関連の成長期待です。
日本株の今後の見通し
日経平均は史上最高値を更新したばかりで、一旦は利益確定売りに押される展開が予想されます。しかし、日本株全体で見た場合、例えば東証株価指数(TOPIX)の12カ月先予想株価収益率(PER)は直近で16.5倍と、S&P500種株価指数の21.1倍やナスダック総合株価指数の26.2倍に比べれば、割高感は相対的に小さく、過熱感はそれほど高まっていないと判断されます。 26年度の会社予想はまずまず良好な内容であり、年内予定のコーポレートガバナンス・コードの改訂に伴い、企業が現預金を成長投資などに活用すれば、ROE(自己資本収益率)の改善も見込まれます。6月公表予定の「骨太の方針」で成長投資への期待が高まれば、株価にとってさらに好環境が整う可能性があります。
中期的には、米イラン情勢の進展が原油価格の安定につながれば、インフレ懸念が後退し、世界的なリスクオンを支える可能性があります。 また、日銀の金融政策正常化のペースと、それが円高方向に作用するかどうかが大きな焦点となります。
米国株の今後の見通し
米国株は引き続きAIと半導体セクターが市場を牽引する構図が続くでしょう。しかし、足元のCPI再加速とFRBのタカ派姿勢への転換の可能性は、金利上昇を通じて株式市場の重しとなるリスクをはらんでいます。 今週は4月個人消費支出(PCEデフレーター)や、セールスフォース(CRM)やコストコ(COST)などの決算発表が注目されます。 これらの経済指標や企業決算が、今後の相場の方向性を決定づける重要な材料となるでしょう。 中東情勢の進展はポジティブ材料ですが、原油価格の動向とインフレへの影響は引き続き注視が必要です。
ビットコイン(BTC)の今後の見通し
ビットコインは短期的には米イラン和平合意への期待が支えとなる可能性がありますが、ETFからの資金流出が継続している点は上値を抑える要因となるでしょう。 200日移動平均線を上回れるかが中長期的なトレンド転換の鍵となります。短期的なレンジ(7万6700ドル~7万7700ドル)をブレイクする際には、大きく値が動く可能性があるため、注意が必要です。 米株市場の再開に伴うETFフローの方向や、米経済指標の結果次第でレンジブレイクが発生する可能性もあります。
ゴールド(XAUUSD)の今後の見通し
米長期金利の動向が金価格の主要な推進要因となるでしょう。米イラン和平交渉の進展によるインフレ懸念の後退と金利低下が続くようなら、引き続き金は魅力的な投資対象となります。 しかし、和平交渉が頓挫したり、再度インフレ懸念が高まるようなことがあれば、金利上昇で金は売られる展開も想定されます。節目となる4500ドル台後半を明確に突破できるかが重要です。
ドル円(USDJPY)の今後の見通し
ドル円は日米金利差という構造的な円安圧力と、日本の金融当局による為替介入警戒感という綱引きが続きます。160円という心理的節目に近づくたびに、介入への意識が高まり、上値が重くなるでしょう。 今後の日銀の追加利上げのタイミングと、米国の利下げ観測の変化が、ドル円の方向感を決める大きな要因となります。 「金利上昇しても円安」という状況が、いつ「金利差縮小による円高」へ転換するかが、為替の中期的な最大の論点です。 今週発表される米PCE(個人消費支出)デフレーターの結果にも注目が集まります。
ボラティリティ予想:明日以降、大きく動きそうな日本株3選
現在の市場環境とニュースフローから、明日以降に大きく動きが予想される日本株を3つ選定します。
-
オンコリスバイオファーマ (4588):
食道がん向け治療薬「テロメライシン」の製造販売承認が厚生労働省の専門部会で了承されたことを受けて、前日にストップ高となり、本日も18.0%高の3,300円と急騰しました。 このような新薬承認という強力な材料は、引き続き市場の注目を集め、更なる株価変動の可能性があります。承認プロセスや販売戦略に関する追加情報があれば、ボラティリティが拡大するでしょう。
-
ソフトバンクグループ (9984):
AI関連の象徴銘柄として、OpenAIの上場観測などAIブームの恩恵を大きく受けています。前日の日経平均を押し上げた主要寄与株であり、トレンドが続けば引き続き市場の買いを集める可能性があります。 AI関連のヘッドラインニュースや、同社が出資する企業の動向次第で、大きく動く可能性を秘めています。
-
川崎重工業 (7012) / IHI (7013):
本日午前中に、防衛関連株として急伸しました。 世界的な地政学リスクの高まり(特に中東情勢)が意識される中、防衛関連の需要増期待が高まりやすいです。米イランの停戦交渉の行方によっては、再び買いが集まる可能性があり、注目されます。
